11/28 保有国債、含み損10.5兆円 金利上昇で過去最大 日銀中間決算
日銀が発表した2023年9月中間決算で、保有する国債の含み損が過去最大の10兆5000億円となった。大規模金融緩和策の一環として実施している長短金利操作の運用柔軟化を受け、長期金利が上昇(債券価格は下落)し、3月末の1571億円から急拡大した。日銀は国債の満期保有を前提とした会計処理を採用しているため、含み損は決算に反映されない。含み損が拡大しても「政策運営能力に支障が生じることはない」と説明する。ただ、日銀の財務状況への不安が高まれば、債券・為替市場に影響を及ぼす恐れもある。
12/1 中国がEV電池素材「黒鉛」を輸出規制…輸入の9割占める国内メーカー、対応急ぐ
中国政府は、黒鉛(グラファイト)の輸出規制を発動した。日本は電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の材料などとして、輸入量の約9割を中国に頼っている。調達が今後、滞る恐れもある。純度や強度、密度の高さといった一定の要件を満たす黒鉛と関連製品を対象としている。輸出事業者は、輸出管理法などに基づき、中国商務省の許可が必要になる。中国商務省は、「特定の国や地域を対象としておらず、規定を満たせば輸出は許可される」との見解を示している。ただ、日本の経済官庁幹部は、半導体製造装置などハイテク分野で対中輸出規制を強める米国や日本を念頭に置いた対抗措置との見方を強めている。
12/1 連合、賃上げ「5%以上」要求 生活水準向上へ底上げ・24年春闘方針
定期昇給分を含めた賃上げの要求水準は「5%以上」とし、23年の「5%程度」から表現を強めた。食品をはじめとする物価高が長引き実質賃金の前年割れが続いていることから、生活水準を向上させるために一段の賃上げを目指す。2%の定期昇給を前提に、基本給を底上げするベースアップは「3%以上」(前年は3%程度)を求めると決めた。ベア要求は11年連続となる。24年春闘について「経済の成長とともに賃金は上がり続けるということを根付かせ、次のステージへと転換する社会、経済をつくっていかなければいけない」と強調し、団結を訴えた。
12/2 FRBパウエル議長、利下げ転換議論は「時期尚早だ」…市場の観測をけん制
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、利下げに転換する時期の議論について「時期尚早だ」と述べた。市場で広がる利上げ終了や早期の利下げの観測を強くけん制した格好だ。FRBで金融引き締めに積極的な「タカ派」として知られる理事が利下げの可能性を示唆したことから、市場ではFRBが2024年前半にも利下げに転じるとの見方が強まっている。今後の金融政策については、「引き締め不足と引き締めすぎの両方のリスクが均衡しつつあり、慎重に進めている」とし、経済活動や物価の見通しなどの指標を見極めながら判断する考えを示した。